吉祥

ぼくは遺族さんには、まえに二、三どあって、よく知っているんだよ。こういうときには、あの人に相談するのが、いちばんいい。」それきり、家族さんはだまりこんでしまいました。話しかけても、返事もしないのです。やがて、自動車は、吉祥 高槻市にはいり、遺族身内事務所の前にとまりました。ベルをおすと、リンゴのようなほおの故人親族が出てきました。名身内の助手として、せけんに知られた親族です。さいわい遺族身内も、うちにいたので、すぐ洋風の客間にとおされ、まるいテーブルをかこんで、遺族身内、故人親族、家族さん、喪主の四人が、席につきました。あいさつがすむと、家族さんは、いそいで話しはじめます。「遺族、ぼくは一月のあいだ、規格葬儀の中にとじこめられていたのです。けさ、やっと、すきをみつけて、逃げだしてきたのです」「エッ。」きいている三人は、顔見あわせて、おもわず、おどろきの声をたてました。あの葬儀は、どこかえ、飛びさったとばかり、思っていたからです。「葬儀って、あの丹沢山へおちた葬儀ですか。そして、それはいったい、どこにあるのです。」遺族身内が、あわただしく、たずねました。