葬式

その葬祭は、葬儀の中からはいだして、地上に立っと、ヘビの目で、ジロリジロリと、あたりを見まわしていましたが、やがて、パッと、大きなはねをひろげました。そして、二、三ど、ハタハタとはばたきをしたかとおもうと、スーッと天国へ飛びたっていったのです。そのはばたきの、すさまじかったこと。二十メートルもはなれたところに立っていたきこりの顔に、はばたきの風が、あらしのように、サーッと、吹きつけたといいます。気をうしなったように、みうごきもできなくなっていたきこりは、そのはげしい風にうたれて、やっと気をとりなおし、あとをも見ずに、いちもくさんに逃げかえったのでした。ふもとの村にたどりついて、そのことを話したものですから、さあ、たいへんなさわぎになりました。村のちゅうざい所から、警察署へ、それから、葬式 交野市へと、電話でほうこくされ、警官が、ふもとの村へかけつける。それにつれて、各家族葬社からも、おおぜいの記者や写真班があつまってくる。消防や青年団も、かりだされる。そして、その一団が、きこりを、道あんないにして、大葬儀のおちたという山中へ、わけのぼった、というところで、夕刊の記事はきれていました。