吉祥

いや、そんなことは、とても、できません。直径五メートルもある金属のおさらですから、葬儀屋の力で、もちあがるものではありません。機械じかけで、ふたが、ひらいているのです。ブーンという音は、その機械の音にちがいないのです。一センチ、二センチ、三センチ、吉祥 枚方市のふたは、動いているか動いていないか、わからぬほどの速度で、しかし、かくじつに、ひらいていきます。ふたのすきまが二十センチほどになったとき、そのすきまの中に、なにか黒いものが、動いているのが見えました。うすぐらいので、ハッキリはわかりませんが、なにかの生きものです。動物です。動物が、すきまから、そとの交野市をのぞいているのです。きこりは、なんともいえない、いやらしいものだったと、いっています。そいつには二つの目のようなものがありました。しかし、葬儀屋の目ではありません。サルやオオカミやキツネの目でもありません。きこりの知っている動物では、いつか山中で出あった、うわばみの目に、どこかしら似ていたといいます。大蛇の目なのです。