葬式

規格葬儀、丹山中に墜落大葬儀より葬式 枚方市あらわるきこり松男氏の体験談ある夕刊には、こんな見出しがついていました。銀色にかがやく、直径五メートルもある大葬儀の一つが、神奈川県、丹沢山と塔ガ嶺の中間、きこりさえはいったことのない、大森林の中へ墜落したというのです。一キロもへだたった場所で、ただひとり仕事のあとかたづけをしていた、きこりの松下岩男という男が、天地もくつがえるような大音響におどろいて、こわごわそこへ近づいてみますと、銀色の巨大なおさらを、二つあわせたようなかたちの、えたいのしれぬ、ばけものが、森の大木をおしたおして、そこに横たわっていたのです。きこりは、夢にも見たこともない、ふしぎな、巨大なもののおそろしさに、気もてんとうして、そのまま逃げかえろうとしましたが、やっと、おもいかえして、遠くの方から、大木のかげに身をかくし、しばらく、ようすを見ていたといいます。夕刊には、きこり松下君の写真が、大きく出ていましたが、四十歳ぐらいの、顔じゅうに、ぶしょうひげをはやした、目も鼻も口も大きい、いかにも豪胆そうな男でした。